【各話コメンタリー】※以下、本編のネタバレを含みます。

「エゴイズムの花束」 二山 カタル

 水仙の花言葉って「ナルシスト」のイメージが強いんですが、「自分が好き」ってことは「自我が強い=エゴイズム!」という着想から出てきたお話です。
 ねこりん!?主催の蓬さんから「なぜ美弥子は死んだのか?」というご質問をいただいたので回答しますと、実はこの作品、わたくしが普段所属しております「megalomania.」というボイドラサークルで制作した「Yellow in Monochrome」という作品の世界とリンクしておりまして、その世界には「視界の色が失われ最後には死んでしまう病」が存在していました。
 彼女はその病にかかってしまい、親友である藍、想い人である文也の姿と思い出を文字通り色褪せさせないために命を絶ったという裏話がありました。美弥子は藍が自分(美弥子)のために文也から身を引いている、ということにも感づいていて、藍に文也を託すつもりでいたようです。
 だからこそ文也が藍の背中を追って歩き出した、というラストにさせていただいたのですが、ドラマ自体は単品で聞けるよう、そして何より尺の問題で(笑)美弥子についてはあまり触れずに、残された文也と藍に焦点を絞る形にした結果こういったドラマになりました。


「ブルイヤール」 蓬 ケイ

 「古くから森の中にあるお屋敷。その門の鍵を手に入れた少年が開けると、花畑に佇む少女が一人…。」みたいなイメージから発展してできた…気がします、確か(苦笑)

 書きあがったものを某友人に読んでもらったところ、「電話以外にも魔女達の関係性が伺える方が…」というようなご意見をいただいたので、試行錯誤の末、魔女が過去の愚痴を言うという結果になりました。
 この愚痴が入るまでは少女はそれほどツンデレ設定じゃなかったんですよ!
 ちょっと素直になれない子ぐらいだったはずなんですが・・・おかしいなぁ(笑)
 でも、おかげで二人の愛情の深さが更に出せたかな、と思っております。
 ありがとよ、某友人!

 「一人の人間の末路を見守るほど暇じゃない」と紫の魔女は言ってますが、多分このあと、数年後でしょうか、少年の成長した姿を見に二人一緒に訪れたのではないでしょうか。
 「べ、別に私は!」とか言って、少女が紫の魔女の後ろに隠れながら、ね。


「ノーマルモード。」 二山 カタル

 『エゴイズムの花束』がヘビーな話だったのでもう一本はライトにしようとバカップルコントを目指したつもりがやはり顔を見せるシリアスネタという、なんとも高低のあるドラマになりました。
 裏話が一つございまして、当初はこの『ノーマルモード。』というタイトルではありませんでした。変更前のタイトルは……「バファリンボーイ。」です。
 別にふざけたわけでもなんでもなく、最後のあの台詞のことを考えたら「こっちの方がいいんじゃね!?」と未だに未練たらしく思っているのですが、いかんせん商標は使えないということで断念いたしました(笑)
 音声編集中はずっとリンゴさんのきゃるきゃるモードとそれにあーハイハイなテンションで付き合うナル君の温度差たまんねぇなと思いながらニヤニヤしてました。わりとわたくしバカップル萌えらしいです。


「オー・ド・プランタン」 蓬 ケイ

 「ぺきちゃんにそのまま女の子を演ってもらいたい!」という一念からできた作品です!!!
 そして、裏テーマは「金魚話」です(笑)

 この作品は珍しくキャラ設定から考えたのですが、書いていくうちに一番変わったのは奥沢先生です。
 最初は目つきが悪くて背の高い、無言キャラで、と考えていったところ、「朱葉と二人になったら・・・会話が成立しないぞ(汗)」というボイスドラマとしては致命的な設定に気づき、今のようにのほほんとあったかい先生になりました。
 ちなみに最初は苗字も「鬼沢」というごつい名前でした。
 ぺきちゃんに突っ込まれなかったら、名前だけ浮いてましたね(笑)

 また、この作品に限らずなのですが、今回は「ガンガン書き進む!」という「指針なし」で書き上げた結果、少女マンガに寄りまくるという…。
 自分の創作の基盤に気がついてちょっと膝から崩れ落ちそうなショックを受けました…。
 もうちょっとギャグマンガとか、アクションマンガとか読んでおけば、また違ったのかもしれませんが…ということで、あらすじで思いっきり「少女マンガボイスドラマ」と公言させていただきました(笑)


「ミッシング キャット」 蓬 ケイ

 都内某所・ねこりん!?会議 2回目
   ぺき「よもさん…。」
   蓬 「ん?」
   ぺき「気づいたんですけど…。」
   蓬 「うん。」
   ぺき「「ねこりん!?」なのに、【猫】いませんよね…?」
   蓬 「…あ…そうだね…。」
 ということで、追加されたのがこの「ミッシング キャット」です(笑)
 ちなみに「ブルイヤール」「オー・ド・プランタン」はフランス語です(小ネタ情報)

 とは言えど、ぺきちゃんも私も今回いろんな役を演っているので、どの声でもないキャラで考えてできたのが、ロリ?っこ・ペルルとショタっこ・アイトでした。
 えぇ、CMでお分かりかと思いますが、蓬のロリはひどいです、すみません…(涙)

 そして、私が活動を始めた当初から大変お世話になっているお姉さま・美空さんにご協力をいただき、ミニミニストーリーながら、「ねこりん!?」ワールドをまとめる、おまけにふさわしいお話になったかな、と思います。



【最後に】

 この度はたくさんの皆様にご協力をいただき、「ねこりん!?」無事に完成することができました。
 本当にありがとうございました!

 初めての企画・運営で、キャストの皆様にもご迷惑お掛けしたところがあったかもしれません。
 ですが、少しでも「楽しかった!」と思っていただければ、本当に嬉しいです。

 特に、相方・ぺきちゃん、カタルくんには本当にお世話になりました。
 感謝してもしきれません。
 …長文になるので、あとはメールにしたためます(笑)

 また、リスナーの皆様にとっても、少しでも楽しんでいただける、ほっこりしていただける作品集になっていれば幸いです。

 本当に、本当に、ありがとうございました!

 「ねこりん!?」としての活動は未定ですが、またお目にかかる機会があれば、何卒よろしくお願いいたします。

 それでは、失礼致します。

   2012/11/28
      「ねこりん!?」 言いだしっぺ 蓬 ケイ